"親切・丁寧・痛くなく"を実践
旭道山:高度な歯科診療をトータルに提供されていることがよくわかりましたが、それ以外にモットーとしてあげておられることがあればお聞かせください。
西原:"親切・丁寧・痛くなく"を心掛けています。特に歯科は恐怖心を持たれがちですので、それを和らげる心配りが欠かせません。例えば歯科治療で最も痛いのは麻酔の注射ですが、私どもでは歯ぐきに表面麻酔を施して注射の痛みを軽減するようにしたり、お口の部分だけ穴が開いたタオルをお顔に掛けたりするなどの配慮をしています。こういったことはどの医院でもおやりだとは思いますが。
旭道山:大人でも歯医者さんが怖くて苦手という人は多いと思いますので、それは嬉しい配慮ですね。
西原:高度な治療を提供すると共に明るい笑顔や思いやりの心、患者さんとのコミュニケーションなどが絶対不可欠ですからね。最近「インフォームド・コンセント」という言葉を耳にされることが多いと思いますが、当クリニックでも治療の方法や状況をご説明する時間を大切に考えており、納得して頂いた上で治療を進めることを重視しています。それを怠ると患者さんとの信頼関係も深めることができませんから。
旭道山:まず患者さんの意思を尊重すること。皆さんの反応はいかがですか。
西原:立地柄、例えば歯科医療を管理される県庁の保険関係の方が来られたり、九州大学からは医師や看護師の方など薬や全身の病気に関して我々より知識をお持ちの医療の専門家も来られるなどデンタルIQの高い患者さんが多いのが特徴でして、ある意味ではインフォームド・コンセントなしにはやっていけない地域と言えるでしょう。
旭道山:デンタルIQが高い地域だと口コミの力も大きいのではないですか。
西原:確かに紹介でお越しになる患者さんは多いですね。
旭道山:理事長ご自身、補綴の認定医でもいらっしゃるとお聞きしていますが、患者さんの期待に応える高度な歯科医療を提供されるためには、日々たゆまぬ研鑽が必要でしょうね。
西原:開業して3年目にスイスへ留学して、ヨーロッパやアメリカを視察しながら帰国しましたが、治療技術や医療・保険システムなどにおいて日本は10年くらい遅れている部分があると実感しました。その経験もあってその後も積極的に欧米諸国の学会に出席し、最先端の技術や知識を若い勤務医の先生に伝えたり治療に取り入れています。ただ、こうした経験が可能なのも安心して留守を任せられるスタッフがいるからこそですし、先生や歯科衛生士も優秀な人材に恵まれている点は本当に有り難い限りです。
旭道山:大学から先生方が来られていることで最先端の治療や技術、情報が入ってくるのも大きな刺激になりますよね。
西原:おっしゃる通りで、私どもの進化の原動力になっていますし、若い先生方から刺激を受けられる環境にあるのは幸せなことだと思います。このような場所で大学から常に先生を迎えたり実習の指定病院として学生を指導するなど、ある意味では私よりもっと先端の知識や技術を学んだ若い先生方と数多く接して刺激が得られることで、絶えず成長させて もらうことができますからね。
社会的地位の向上に寄与したい
旭道山:話題は変わりますが、こちらではレーザー応用治療も行っているとお聞きしています。最近では医療機器の発達も目覚ましいようですね。
西原:ええ、例えば薬にしても同じ量で効果が高まるなど発達は日進月歩です。しかし診断力や技術などのソフト面がしっかりしていないとハードの良さは生かせないのも事実ですし、先程も話に出ましたインフォームド・コンセントを含めて信頼関係がないと満足して頂ける治療ができない――これが大前提ですね。
旭道山:つまり信頼関係や親切・丁寧な態度、そして優れた技術があってこそハードの優秀性もその真価を発揮するということですね。お話も尽きませんが、最後にこれからの課題や抱負に ついてお聞かせ願えますでしょうか。
西原:保険制度が非常に厳しくなっており、3割負担になる今年は歯科も医科も生き残りを賭けるべく様々な取り組みがなされていくでしょう。すなわち先行き不透明な中だけに試行錯誤しながら生き残る道を模索し努力を重ねることが課題となるわけです。また、大上段に構えるつもりは全くないのでですが、昔から若い先生方とよく話をしているのは「歯科の社会的レベルを上げることに貢献しよう」でして、そのためには技術面の向上はもとより良識に則った真面目な診療を積み重ねていくしかないと。そして次の世代に繋げていく――そんな思いで仕事に臨んでいますし、若い先生方にもその次の世代に繋げていくという長期的な観点に立って頑張ってもらえればと思っています。
旭道山:なるほど。つまり積み重ねの結果として社会的地位も向上していくというわけですね。
西原:はい。歴史はそう簡単に変わるものではなく、1人や2人の力で変えられるものでもありませんが、一人一人が努力することが大きな1歩になるのは確かです。ちなみに当クリニックで勤務医を経験して巣立った先生は50名を超えるのですが、皆さん各地で高度な診療を実践しながら頑張っておられます。
旭道山:そういった面でも革新的でいらっしゃるのですね。本日は歯科診療の現状のみならず、今後の方向性もよく見えるお話で非常に良い勉強をさせて頂きました。温かみを備えた高度な技術のご提供にご尽力下さい。
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